Gilets Jaunes第9回で、一旦最終回です。
まずは、france interの記事を元に整理しています。

12/21 上院で可決

政府のGJ(Gijets Jaunes、黄色いベスト集団)に対する妥協策が盛り込まれた法案が、下院で可決された翌日、上院でも可決されました。なんかすごいスピード感だなぁという感じですが、施行が19年1月だから超特急で通過させた模様。
ちなみにこの日のエドゥアル首相のTwitterでは、GJ達と会合をしている様子がわかります。


12/22 acte VI 6回目の土曜日

6回目の土曜日、新たなデモ行動がパリはじめ各地で行われましたが、参加者数は前週よりさらに半分となる40,000人の参加でした。イタリア、ドイツ、スペインの国境で道路妨害が行われました。
特にパリやナントといった都市で暴力事件が発生し、81人が拘束されています。下のTweetの映像をご覧ください。

パリで、バイクの警察官がデモ隊に襲われている映像が実に生々しく残されてます。超怖いです...。これはGJのリーダーの1人、エリック・ドゥエ(Eric Douet)が呼びかけた、パリ北のモンマルトルからシャンゼリゼに向かったデモ運動の民衆の一部が、シャンゼリゼ付近で警察を攻撃したものです。ドゥエは、公道でのデモの違法な組織、禁止された武器の所持、暴力や破壊のためのグループに参加した疑いで、取り調べを受けます。翌日曜日には検察に出頭しなくてはなりませんでした。
サクレ=クール寺院の広場では、デモ参加者がデュードネ(Dieudonné)という反ユダヤ主義のコメディアンの"la quennelle"という歌が歌われている様子が映されます。
あるジャーナリストは、23時頃デモから帰宅する40歳近いおっさん3人が地下鉄内で、「マクロン辞めろ!」と歌っていたが、そのうち反ユダヤの歌を歌い出し、ユダヤ人のおばあさんにやめてくれとお願いしたところ、今後は「でてけ、ばあさん!」「ここは俺たちの国だ!」と歌われる場面を目撃したとTwitterで証言します。これが本当だとすると、やはりこのデモ運動と暴力の広がりは、ネオナチに代表される極右主義者などと無関係ではなさそうです。

いくら勢力は弱まってきているとはいえ、この1分足らずの動画だけでも結構怖いです...。これがおフランスだなんて。。。


12/23 

チャド共和国を訪問中のマクロン大統領は、メディアの取材に対し、「今、我が国に秩序を取り戻さなければならない。今この国は、平静と融和を求めている」「暴力行為に対する司法判断は最も厳しいものになるだろう」と語ったそうです。


最後に

というわけで、france interの記事はここまでです。35,000字のフランス語をようやく全て読み切れました。おかげで流れや登場人物が把握できたのはもちろんのこと、フランスという民主主義のあり方、特に民衆の意思表示パワーがハンパないこと(暴力は別件)、それに対する政府の対応が激速いことが理解できました。同じ民主国家といえど、日本とは全然違うんだなと思いました。
そして、この一連の暴力沙汰は、純粋にガソリン代の値上げに反対する民衆とは別で、むしろこれを利用して社会の混乱を招こうという意図があるか、相当に社会に不満があって憂さ晴らしをするプロ集団があるのではないかと思います。これまた日本とは大違いですが、多民族や思想が入り混じり、フランス社会には深刻な社会問題が巣食っており、非常に混沌としているのだとわかりました。