Gilets Jaunes第7回です。
あの凱旋門の内部がめちゃくちゃに破壊され、車が燃え、お店の窓ガラスが割られるなど、悲しく深刻な状況になっているデモが、なぜこんなにひどい状況になっているのかを知りたいと思っています。
まずは、france interの記事を元に整理しています。

12/10 マクロン大統領公式演説

ついにマクロン大統領から今回のデモ/暴動に関して、公式の演説が放送されました。


  • 国家負担で最低賃金(le Smic = Salaire minimum interprofessionnel de croissance)を月100ユーロアップ
  • 残業代には課税しない
  • 退職者の一般社会税(CSG = la Contribution Sociale généralisée)アップの免除
黄色いベスト運動の初期からの政府の措置を合計すると、予算は100億ユーロに達します。GJ(Gilets Jaunes、黄色いベスト)たちの反応はというと、一部はこれを前進であると評価しましたが、一方、偽善行為だ、バラマキだという批判や、次の5回目の土曜日のデモ行動が第五共和政の終焉だと息巻いている声もあったようです。

12/11 ストラスブールでテロ発生

大統領からの妥協案が提示されたにも関わらず、デモ行為は終わることはありません。1,900人がこの日もいそいそと道路の封鎖を実行し、次の5回目の土曜日にACTE V(5回目の行動)を行うことが呼びかけられました。ここまで来ると本当にすごい粘り腰ですよね。。。どんだけ民衆がわがままなんだと捉えるか、どんだけ政府が民衆のことをわかってないのかと捉えるか、調べていきたいところです。でも、一部では前進と捉えた人もいたようです。なんと、このデモの引き金を引いた1人、あのジャクリーヌ・ムロー(Jacline Mouraud)女史も好意的に受け止め、休戦を呼びかけました。
共和党は黄色いベストデモに関して、少しずつですが確実にポジションが変わってきており、こちらもやはり一旦落ち着こうと呼びかけます。
労働大臣ミュリエル・ペニコーは、「大統領は勇敢だった。彼は政府の過ちも認め、国民の感情をきちんと理解していた」と語りました。

そんな夜20:00頃に、今度はストラスブールで例のテロ事件が発生します。一部のGJたちは、自分たちのデモ行為に対する陰謀であると叫びます。

12/12

フランス中部地方都市のトゥールから南部都市マルセイユにかけて、GJたちは、ストラスブールでのテロの被害者との連帯を主張しつつ、自分らの怒りを政府にもっと伝えるべく、道路の妨害行為を継続します。


12/13 政権不信任案決議

左翼系の下院議員から政府に対する不信任案決議が提出されますが、否決されます。

政府側は、GJに対し次の土曜日はもうデモを行わないように求めます。しかしながら、GJの代表の1人、日雇い労働者のマキシム・ニコル(Maxime Nicolle)は「市民の安全を守るのは政府の役割である」と、やる気満々です。

TV番組のインタビューに応じるマキシム・ニコルのこの頃の映像です。



12/14 ACTE V前夜

黄色いベストたちは今回もデモの準備をし、各自治体は被害の予防策を講じます。
フィリップ首相は、1/1からの公務員の給料値上げ施策で大統領は対象外であることを名言。
20人以上のフリーのカメラマンやジャーナリストは、治安部隊の攻撃の的になったとして訴訟を起こす旨を発表。
内務省の、クリストフ・カスタネールは(Christophe Castaner)は、ストラスブールのテロ収束に功績のあった警察が、今後はGilets Jaunesたちの攻撃の対象になることは許せないと発言します。



続く